私が数年前から推しているシンガー「Czuka」がCDをリリースしました。
アルバムタイトルは「BLUE HYDRANGEA」
アルバムをリリースする話は少し前から聞いていたのですが、実際に発売されると非常に感慨深いものがありました。
2023年は私の生活のどこかに必ず「Czuka」がいました。
1月の大阪でのライブに始まり2月は横須賀でのライブ、5月の馬車道でのライブ(2DAYS)、9月の馬車道でのライブ・・・
とにかく精力的に活動していたので、私も出来るだけ多くのライブに顔を出しました。
多少仕事をセーブした感じもありますが、とにかく必死に「推し活」をした印象です。
そんな2023年の活動を締めくくるのにふさわしいイベント!
Czuka初のCDリリースは12月18日でした。
リリースの日に合わせてレコ発ライブも行われ、もちろんですが足を運びました。
実はCDが発売される直前に私はCzukaにあるお願いをしていました。
「レコ発ライブの前にCDを聴いてからライブに望みたい!できれば一足先にCDを聴かせて欲しい!」と・・・
どこよりも!そして誰よりも先に聴いておきたい!という私の純粋なわがままだったのですが、Czukaは快く了解をしてくれました。
手元に届いたのは数日前です。
私は早速聴きました。
そして感動をしました。
涙しました。
応援してきたアーティストがこうしてCDをリリースして、いつでもどこでも聞けるようにしてくれた!
それだけでも大満足なんです。
私はすぐにお礼の連絡をしようと思いました。
その時!ちょっとだけ閃いたんです。
折角ならこの今の気持ちを文章にして送ろう!
CDを聞いた翌日、私は忘年会でした。
20時から11時30分まで忘年会で浴びるようにお酒を飲み、それでも何とかこの気持ちを文章にしたい!という気持ちが強すぎてタクシーで会社に戻りました。
そして一心腐乱にパソコンに向かったわけです。
「ライナーノーツ」というものを知っている方は今は少ないかもしれません。
今は見かけなくなりましたが、昔はCDを買うと必ずと言っていいほど歌詞カードと一緒に「ライナーノーツ」が同封されていました。
中学生の時からCDを買い漁るようになり、気が付けば2000枚ほどのCDが私の部屋には所狭しと並んだわけです。
友人からは「プチ蔦屋」と言われていましたね。
そんなCD購入の楽しみの一つに「ライナーノーツ」を読むというのがありました。
「ライナーノーツ」はレコード会社の人間や音楽評論家などがそのアルバムの解説、曲の解説、アーティストとの関係性や制作秘話みたいなものを小さな冊子に書き記したものです。
独特の言い回しであることないこと書いてあるのが妙に心をくすぐるんです。
当時、純粋だった私はその言葉を全て鵜呑みにしてCDを聞いていました。
大学生くらいになるとこの「ライナーノーツ」!!
実は適当でいい加減だということが理解できました。
なかには「おまえ絶対このCD聴きこんでないでしょう!」とツッコミを入れたくなるものもあったりして・・・
でもその文章を読むのが本当に好きだったんです。
そしていつしか「自分も書いてみたい!」なんて思っていましたが、いい歳の大人になりそんなこともすっかり忘れておりました。
CDが送られてきて感想を書こうと思った時、「これってライナーノーツ書いたら面白いかも?」と閃いてしまったんです。
そこで今回は感想というよりも「ライナーノーツ」を書いて送ることにしました。
正直それっぽく書いてみたので私が普段書く文章とは全く違います。
でもこのCDの中に同封されていたら面白いかも?という視点で私はとにかくキーボードを打ち込みました。
それがこちら!
「ライナーノーツ」
Czukaというシンガーに出会ったのは3年ほど前である。
シンガー/ボイストレーナーと二刀流で活躍している彼女との出会いは横浜のとあるビルであった。
彼女の話す声を聴いた瞬間、私は今まで感じたことのない高揚感に何故か襲われた。
ごく普通の女性らしい話し声、笑い声・・・ 他の女性と大きく違う特徴があったわけではなかったが、なぜか私の耳には強いインパクトを残したことが出会いのきっかけであったことは間違いがない。
シンガー「Czuka」としての活動を知るきっかけになったのはYouTubeにあげられていた数本のライブ動画だ。
大阪出身の彼女が地元で活動していた時の貴重な映像を今でも見ることができる。
録音状況がけっして良いとは言えない動画ではあるが、彼女の歌声とステージングに私は一瞬で魅了された。
彼女の得意なジャンルはジャズと理解をしているが、動画を観るかぎり、どのジャンルでも歌いこなすことが出来るシンガーの1人であると思っている。
歌の上手い歌手は枚挙にいとまがないが、バックの演奏に合わせた瞬間、その場の雰囲気を一瞬で変えることのできる数少ないシンガーであることは間違いないであろう。
声量が大きく変化するわけでなく、どちらかというと静かにささやきながら歌いあげるスタイルではあるが、圧倒的な安定感とリズム感、そして聴衆に無条件に訴えかける歌声の存在感は簡単な言葉では言い表すことが難しいのかもしれない。
何度かライブに足を運んだが、そのライブはどれも私の耳を納得させるものであった。
また、彼女のライブをサポートしているメンバーの高い演奏力にも脱帽だ。
彼女のキャラクターをいつも引き立ててくれる素晴らしいサポートメンバー。
その演奏に見事に調和したCzukaの歌声とステージングに何度心を動かされたことであろうか。
そんなCzukaがCDをリリースすると聞いたのは夏を過ぎた頃だ。
過去のライブ動画はもちろん、昨年から精力的に行っているライブ活動でのレポートは存在するものの、シンガーCzukaとして公式にCDをリリースするのは今回が初となる。
彼女は今回のリリースにあたりこう言っていた。
「デジタル音楽配信が主流の時代、それでも私はCDという形にこだわりたい!シンガーCzukaとして形あるものを残しておきたいんです」
そんな彼女の想いが詰まったアルバム「BLUE HYDRANGEA」が一足先に私のもとに届いた。
「春と嘘」「Skin」「BLUE HYDRANGEA」の3曲を収録したミニアルバムだ。
作曲は大阪時代から苦楽を共にしてきたシンガーソングライターの「柳野ダイスケ」が至極の3曲を書き下ろし提供している。
また、ピアノ演奏には親交の深い「杉浦潤」が参加。
Czukaを知り尽くした両氏がタッグを組み繊細に作りこまれたアルバムでもある・
曲の解説は後述するとして、シンガーCZUKAとしての今後の活動を下支えするアルバムとなることは間違いない。
ぜひ一人でも多くの人に手に取っていただきたいと心の底から思う素晴らしい作品となっている。
解説
「春と嘘」
カワイの特徴である乾いたシャープな旋律のイントロが印象的だ。
か弱くもどこか強い芯のある女心を歌った曲であるが、抽象的な歌詞は聞き手の心境や立場でその解釈は大きく変わるのかもしれない。
「月に隠した嘘」という独特な歌詞も聞き手に様々な想像を掻き立たせるのではないか?
多くを経験した大人の女性の心情を歌とピアノが絶妙なバランスで表現している曲となっている。
「Skin」
『F・D♯・G♯・F・D♯・C♯』から始まるイントロに一気に心奪われた。
頭では理解していても心がどうしても違う方へ動いてしまう、そんな女心を見事に表現した曲ではないだろうか?イントロから一人の女性が思いにふける情景が目に浮んでくるようである。
曲調は非常にシンプルではあるが実に歌い上げるのが難しい曲という印象だ。
Czukaの歌唱力を最大限に引き出してくれている曲でもあり、柳野ダイスケ氏らしい音と言葉の組み合わせ方にも注目してもらいたい。
「BLUE HYDRANGEA」
Czukaが最も得意とするJAZZ調の楽曲である。
杉浦氏の力強いタッチと巧みなペダリングに対して、Czukaの落ち着きのある歌声が絶妙なバランスでこの曲の世界観を作り上げている。
6月生まれのCzukaにとって「BLUE HYDRANGEA(青い紫陽花)」は馴染みのある花なのかもしれない。
今回のアルバムタイトルにふさわしい清涼感のある曲となっている。
「Yes, my life is mine! But right now you own my heart」という最後の歌詞がシンガーCzukaそのものを表現しているような気がした。
このアルバムはピアノとボーカルのみの非常にシンプルな録音である。
音を重ね厚みを出すことをあえてせず、鍵盤をはじく音、ペダルの音、ブレス、ビブラートの繊細な音まで聞き取ることが出来る。
まるでライブハウスで聴いているような臨場感も同時に味わうことが出来る作品だ。
リリースは12月であるが、紫陽花の咲く初夏にもう一度聞くとまた違った印象を受けるのかもしれない。
今後のCzukaの活躍を期待しながら何度も再生ボタンを押すことになりそうだ。
生まれて初めて書いたライナーノーツ!
正直上手く書けた自信はありません。
それでも学生時代から憧れていた作業を行うことが出来た!という満足感だけが残りました。
懐かしい気持ちになるとともに、歳を取ったんだな~と実感する瞬間でもありました。
翌日のレコ発ライブは想像以上によかったです。
一年の締めくくりにふさわしく、素晴らしい時間を過ごすこともできました。
まだまだ繁忙期は続きますが、もうひと踏ん張り出来そうです。
2024年も「推し活」を頑張ろうとおもいます。