今年初めて焼肉を食べに行きました。
どうせ食べるなら高級なところで!と少しだけ背伸びした場所へ・・・
幼いころは家族でよく焼き肉を食べに行っていました。
実家の近くにある焼肉屋さんです。
民家の一階を店舗にした15席ほどの小さな焼き肉店なのですが、ここの焼肉がとにかく大好物でした。
その焼き肉店のおばちゃんは韓国出身の方でした。
日本人のご主人と結婚して焼肉店をオープンさせたのは今から40年以上前です。
私が4歳くらいの時から通っていたので親戚の子供のようにかわいがってくれていました。
そのおばちゃんの作る料理はどれも本場韓国の味です。
お肉も特別なルートで仕入れているという事で常にいいものを口にできました。
もちろんキムチも自家製。
〆にいただくクッパは格別でした。
食べ盛りの時期になると家族5人でお腹いっぱい食べます。
なのにおばちゃんはいつも「こんな金額でいいの?」というくらいおまけしてくれていました。
食べ盛りの私と弟、妹を本当にかわいく思ってくれていたようです。
妹が大病を患った時には家にわざわざ薬膳料理を持ってきてくれたり、妹のお葬式の時には親戚や妹の同級生に「通夜振る舞い」を作ってくれました。
妹が好きだった料理をたくさんの人に無償で振舞ってくれたんです。
今でも妹の遺影を持って来店した時には陰膳も必ず出してくれるので、まるで親戚のおばちゃんのような存在です。
一番嬉しかったのはそのお店に我が子を連れて行った時です。
おばちゃんは我が子を孫のように抱きかかえて涙を流してくれました。
「お父さんはこの焼肉で大きくなったんだよ!あんたもしっかり食べなさいね~」と言ってたくさん振舞ってくれました。
その後も実家に帰るたびにおばちゃんのお店には良く通っていましたね。
2年前には我が家5人と弟家族4人、両親と大勢で押しかけて賑やかな食事をしたものです。
今まで色々な焼肉店に行きましたが、おばちゃんのお店を超える焼肉屋に出会うことは生涯無いでしょう。
味もお店も私には文句なしのナンバー1です。
40を過ぎた頃から焼肉に行く機会が激減しました。
油の強いお肉が食べられなくなってきたからです。
霜降りカルビなんて1枚食べれば胃がもたれてしまいます。
最近ではタンやハラミ、ホルモンばかり食べていますかね?
そして焼肉と言えばやはりビールです。
ビールのない焼肉はおかずのないお弁当のようなものです。
やはりおいしいお酒と一緒に食べるからいいのでしょう。
しかし、新型コロナウィルスの影響で酒類の提供が制限されました。
お酒が飲めないのに焼肉に行くなんて私には考えられないことです。
焼肉に行く機会は昨年から全くなくなりました。
そんな中、久しぶりに行った焼き肉店。
質より量という事で少し高級なお店に行きました。
9月だったのでお酒は飲めませんでしたが、それなりに堪能できました。
やはり久しぶりに食べる焼肉はいいものです。
心も体もすっかり満たされました。
新型コロナウィルスの影響で飲食店はどこも大変な思いをしています。
私の行きつけの飲み屋さんやレストランもそのほとんどが休業を余儀なくされています。
外食産業は窮地に立たされているわけです。
そんな中で最近焼肉店が元気です。
火であぶればウィルスが死滅するというイメージがあるのか?
よくわかりませんが、多くの焼肉店は連日にぎわっています。
居酒屋チェーンを展開する「ワタミ」も最近、既存店舗を次々と焼肉店にしています。
一人焼肉なんてお店もどんどんオープンしていますね。
焼肉屋さんだけはコロナ不況知らずといった感じです。
焼肉だって大勢の人が網を囲んで会話しながら食事をするはずなのに・・・
何なら「蟹」を食べている時のほうがみんな静かなのに・・・
全く不思議でなりませんね?
緊急事態宣言もようやく解除になりました。
お酒も飲めるようになったみたいです。
「いえ~い!焼肉に行くぞ!」とはすぐになりませんが、近いうちにまたおばちゃんのお店にでも行こうと思っています。
好きな時に好きなものを気軽に食べに行けるようになるといいですね?