感動!

先日末っ子の高校野球の公式戦を観に行きました。

私には3人の子供がおります。

今年21になる長男と今年めでたく20歳になる長女、そして16歳の次男の3人です。

若くして子供を授かったため、とにかく子供とはなるべく接する時間を多く持つようにしました。

お金はありませんでしたが体力だけはあったため、とにかくアクティブに子供と過ごしてきたつもりです。

そんな私には子供が生まれたらどうしてもやらせたいスポーツがありました。

野球です。

 

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以前のブログにも書きましたが、昔から野球が大好きで仕方がありませんでした。

両親の理解を得られず少年野球や部活動で実際に野球をすることは出来ませんでしたが、男の子が生まれたら絶対にやらせるぞ!と決めていたくらいです。

長男が4歳になったころにはまずは野球を好きになってもらおうと、横浜スタジアムに一緒に野球観戦をしに行くようになりました。

長男も私の子だけあって野球観戦に夢中になってくれました。

多い時には週に3試合は観に行っていたくらいです。

当然野球をやってくれるものと思っていましたが、親の期待むなしく剣道を習い始めました。

自分も小学一年生から高校卒業まで地元の道場に通わされていたので、息子が剣道を始めたことに特に抵抗はなかったのですが、少し寂しくも感じました。

結果的に長男は高校卒業まで剣道を続け3段を取得。

大学生になった今でも母校へ指導に行っているようです。

娘にはさすがに野球はやらせられないので新体操をやらせました。

高校生の時、2年間だけ体操部に所属していた私としては、それはそれでありがたい話でして・・・

リビングで一生懸命練習する娘に素人ですがそれなりに熱血指導を毎日していたのは今となっては良い思い出です。

結果的に娘はインターハイに出場し、大学に進学した今でも新体操を続けています。

一体いつまで続けるつもりなのか?うれしい反面、就職や将来のことが気になり始めたりもします。

上の子二人が野球とは関係のない世界に飛び込んだため、最後の望みは末っ子に託されました。

生まれてすぐに枕元に野球のボールを置き、最初に握らせたのも野球のボール!

寝ている我が子の耳元で「お前は野球選手になるんだぞ!」とささやきながら育てました。

5歳からは近所に元プロ野球選手が教えてくれるという野球教室ができ、もれなく通わせました。

家でも毎日のようにピッチングフォームやバッティングフォームを叩き込みました。

横浜スタジアムへも連日のように通い、年間20試合以上プロの試合を見せました。

末っ子も野球に夢中になってくれて6歳ですでに野球のルールはもちろん、選手の名前をほぼ覚えました。

小学生になると自らの意思で少年野球チームに入りました。

暑い日も寒い日も野球に夢中になっている息子を見て「よし!俺の作戦通りだ!うまくいったな!」とニヤニヤする毎日でした。

学校から帰ってくるなり「パパ!キャッチボールしよう!」とグローブを手渡し私の手を無理やり引いて毎日のように公園に連れていかれました。

息子とキャッチボールをしている時はとにかく楽しかったですね。

しかし、息子のレベルが上がってくるとキャッチボールがままならなくなってきました。

球が速すぎで取れなくなってきたのです。

私は未経験者です。ガチの人間の球なんてそう簡単に取れるわけもありません。

やがて思春期が訪れ、息子とは口もきかなくなりました。

挙句の果てに何かにつけて「俺はお前の為に野球をやっているんじゃない!うるさい黙れ!」と言われる始末です。

このシーン「巨人の星」で見たような・・・と思いながら非常に寂しくも感じました。

それでも末っ子は中学でも野球を続け、今年めでたく高校生に!

もちろん迷うことなく野球部に入り日々白球を追いかけているわけです。

親としてはそれなりに名のある強豪校へ行ってほしかったのですが、本人が「坊主頭は絶対無理!ガチは勘弁!」ということで公立高校へ進学しのびのびやっています。

 

そんな息子へ最近思うことがあります。

「申し訳ない・・・」

親のエゴで野球以外の選択肢を全く与えず育ててしまいました。

ひょっとしたらやりたいことが他にあったのかもしれません。

本人が思い描いていた将来が別になったのかもしれません。

完全に私のエゴと意地に付き合わせてしまいました。

そのような思いが芽生えてからはますます末っ子には何も言えなくなりました。

今はただただ見守るだけの毎日です。

 

先日高校生になった息子の初めての公式戦がありました。

甲子園出場をかけた予選大会です。

もちろん甲子園なんて出られる強豪校ではありませんが、高校球児にとっては生涯で一番大切な大会ではないでしょうか?

 

1回戦は自宅から一番近い球場で行われました。

その球場の隣には立派な公園やプールなどがあり、夏休みにはよく連れていきました。

午前中プールで遊んで午後からは高校野球の予選を見るのが末っ子との毎年の過ごし方でしたね。

息子と高校野球を観戦しながら「いつかお前もここでプレーするんだぞ!」と言い聞かせていた思い出も場所です。

その球場に息子が選手として出ている!私も保護者として観戦している!

夢が一つ叶った瞬間でした。

 

結果は善戦むなしく1回戦敗退でしたが目頭が熱くなるばかりでした。

大きくなった息子の姿にただただ感動するばかりです。

そしてまた「申し訳ない・・・」という気持ちが大きくなるのを感じました。

親の為にやってるわけではない!と言われましたが、ユニフォームを着て一所懸命プレーする姿を見せてくれるだけで私には十分な親孝行です。

まだまだ一年生ですので、あと2回この感動が味わえると思うと今からワクワクします。

末っ子にはこれからも頑張ってもらいたいものです。

暖かく見守り続けようと思います。

そしていつか一緒に酒を飲みながら「親父のせいで野球しかない人生だったよ!」と皮肉でも言ってくれたらなお満足です。