TOKYO MER 面白かった

TBSで放送されていた「日曜劇場『TOKYO MER~走る緊急救命室~』」

コロナ禍で放送される医療ドラマという事で始まる前から興味はありました。

ひょっとしたらコロナが始まる前に企画されていたのかもしれませんが・・・

正直ここ数年で一番見ごたえがあったドラマでしたね。

 

日曜劇場『TOKYO MER~走る緊急救命室~』|TBSテレビ

 

90年代のトレンディードラマを見ながら思春期をおくった私にとってテレビドラマは身近なものです。

中学生の時に「101回目のプロポーズ」「東京ラブストーリー」「愛という名のもとに」「あすなろ白書

高校生では「家なき子」「古畑任三郎」「愛していると言ってくれ」「踊る大捜査線」などなど・・・

流行りのドラマはきちんと観ていました。

しかし、大学生になったころから急激にテレビの前にいる時間が減ります。

バイトや友達との夜遊びのほうが楽しくなったんでしょうね。

2000年代になるとあまりドラマは観なくなりました。

 

しかしここ数年は子供が大きくなり一緒にドラマを観ることが増えました。

最近だと「コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命」「フリーター、家を買う」「家政婦のミタ」「リーガル・ハイ」「ドクターX」「信長協奏曲」「デスノート」などは子供と一緒に観たものです。

そして今回の「日曜劇場『TOKYO MER~走る緊急救命室~』」も家族で夢中になりながら一緒に観たドラマでした。

個人的にここ数年で一番面白かったドラマだと思います。

 

何が素晴らしかったのか?

やはり役者さんたちの演技力に尽きると思います。

主人公「喜多見 幸太」役の鈴木亮平はもちろん、脇を支える役者さんたち全員の演技力が光るドラマでした。

ドラマ初出演の佐藤栞里も良かった~

しかし、私が注目したのは「音羽 尚」役の賀来賢人と「高輪 千晶」役の仲里依紗です。

この二人はどちらかというと3枚目の役が多い印象があります。

常識にとらわれない自由奔放なイメージがある役者さんです。

特に賀来賢人なんてコメディードラマの常連ではないでしょうか?

その二人がシリアスなドラマであそこまで雰囲気のある役を見事に演じたのは新鮮でした。

役者さんって本当にすごいな~と思うばかりです。

最終回も非常にいいテンポで話が進み、気がついたらあっという間に終わってしまった印象です。

こんなにも高揚感や喪失感を抱いたドラマは「半沢直樹」以来かもしれません。

ドラマの脚本は「岩本 勉」でしたね。

「グランメゾン東京」「謎解きはディナーの後で」などを手掛けた方です。

そりゃ面白いに決まってるでしょう。

演出家の「松木 彩」も「半沢直樹」の演出家として活躍した人です。

TBSの日曜劇場にはずれが無いことも頷けます。

 

さて、最終回の喪失感から数日が経ちました。

あらためてドラマを振り返ると少しだけ「あともう少し・・・」という部分が見えてきました。

けっしてケチをつける訳ではありませんが、なんとなく気になった部分を書いておこうと思います。

 

まず、TBSの日曜劇場のドラマは「勧善懲悪」がテーマなような気がします。

池井戸潤の「半沢直樹」や「下町ロケット」「「ノーサイドゲーム」などの話には分かりやすいくらいに「善と悪」が存在します。

その多くが日曜劇場でドラマ化されてきました。

最後は正義が必ず勝つ!という水戸黄門的パターンが定番のような気もします。

今回のTOKYO MERも勧善懲悪なドラマであったことは誰もが認めるところでしょう。

ここで少しだけ疑問が湧いてきます。

ドラマの途中まで悪者は「天沼 夕源」という幹事長でした。

自分の利権の為、気に入らない都知事を陥れるためにMERを徹底的に潰しにかかります。

その権力に屈することなく、毎回活躍するMERのメンバーは正義そのものでしょう。

しかし、最終回に近づくとテロリスト「椿」が登場します。

無差別殺人を平気で行うテロリストという「絶対悪」の登場で天沼幹事長の悪業が影を潜め始めます。

一体MERの敵は誰なのか?少しだけ方向性がブレ始めます。

しかも、椿が天沼を執拗に責める理由が見当たりません。

過去に何か接点があったようなエピソードは描かれていませんし、テロを起こす目的がぼんやりしているのが少しだけ「?」と思いました。

実は椿にも妹がいて過去に天沼に利用され自殺した!なんてベタなエピソードなんかがあっても良かったような・・・

あくまで標的である喜多見を狙うために天沼をフィルターにしたという解釈だと思いますが少しだけでも接点が欲しかったかも。

あと、現場と指令室との距離感も気になってしまいました。

特に最後のシーン!

喜多見が自宅から現場に到着するまでのスピード感!凄すぎます。

現場が徒歩圏内だったという事にしておきましょう。

あと、明らかに霞が関にいたはずの白金大臣!

病院から都庁のMER指令室まですごいスピードで到着してましたね。

霞が関と病院そして新宿・・・

多分結構距離ありますよね。

ま~ドラマの中ですから、重箱の隅をつつくように細かいことを気にする私は「ケツの穴の小さな人間」なのかもしれません。

性格が本当に悪いですね。

 

そんな今回のドラマはカメラワークがとてもよかったと思います。

カメラと役者との距離、セットの見せ方、役者の表情の見せ方、現場の危機感をリアルに伝える映像・・・

カット割りも含めてすごく計算されていたんだと思います。

 

色々書いちゃいましたが細かいことは抜きにしてあらためて言います!

「素晴らしいドラマでした!ブラボー」

全話録画したので今度の休みの日に観なおそうと思います。