秘伝のレシピ

料理が大好きです。

小学校の卒業文集で「将来は一流の料理人になるのが夢です!」と豪語し、22歳の時に料理の世界に本格的に飛び込みました。

しかし!わずか1年半で今の仕事に転職・・・

気が付いたら22年も車関係の仕事をしている自分です。

 

それでも週に1~2回は台所に立ちます。

特に仕事の休みの日は丸一日台所で過ごすこともありますね。

そんな料理が大好きな男が一番大切にしているメニューがあります。

 

今から22年前の事。

料理人としての第一歩を踏み出した時カミさんと結婚をしました。

結婚してすぐに義理母の実家に行き、義理の祖父母にご挨拶をしました。

孫が連れてきた一人の男に義理の祖父母は興味津々でして、色々と話をしてくれました。

私が料理の世界に飛び込んだ!という話をして一番喜んだのは義理の祖父です。

 

義理の祖父はその昔「日本郵船」で働いていました。

今のように飛行機で簡単に郵便や荷物が運べなかった時代、その多くは船で運搬されていたんです。

その運搬船の中で調理担当だったのが義理の祖父でした。

 

数か月のも及ぶ船内での仕事。

家に帰るのは年に数か月。

義理母が言っていましたが父親と過ごした時間などほとんどなかったそうです。

そんな船内コックだった義理祖父は料理人の私をとにかくかわいがってくれました。

ひ孫が誕生し見せに行くとさらに喜んでくれました。

そして毎回とてもおいしい料理を振舞ってくれたんです。

義理祖父の作る料理はどれも素晴らしく私はとても尊敬していました。

 

そんなある日、私は仕事先で調理長からこんなことを言われました。

「おまえには得意料理はあるのか?何か一品俺にふるまえ!」

もちろん作れと言われればある程度の料理はレシピなしで作れます。

しかし、得意な料理!と聞かれても当時は思いつくものはありませんでした。

そこで義理祖父にすぐに相談したんです。

翌日、仕事の休みを利用して義理祖父を訪ねました。

すると台所には様々な食材がすでに用意されていたんです。

義理祖父はこう言いました。

「今から君に私が船内で一番喜ばれた料理を教えよう!簡単だから覚えてくれ!」

その時教わったのが「ドライカレー」でした。

 

 

世界中を船で飛び回っていた義理祖父は和食はもちろん洋食、中華もお手のものです。

義理母は当時まだ日本ではあまり食べることが出来なかった珍しい外国の料理をたくさん食べさせられたみたいですね。

そんな義理祖父に教わった「ドライカレー」は今でも私の得意料理の一つになっています。

今までレシピとして残したことはありませんが、せっかくなので今日は書き残しておこうと思います。

それではレッツクッキング!

 

使い食材は以下のとおり

 

ひき肉(牛・豚合い挽き)

玉ねぎ

人参

コーン

生姜

カレー粉

 

まずは下ごしらえで玉ねぎとニンジンをみじん切りにしておきます。

あまり細かくし過ぎると食感がなくなるので少し大きめに切っておきましょう。

 

 

まずはフライパンにサラダ油とバターを入れひき肉を炒めます。

コショウはしっかり振りますが塩はあまりふらない方がいいです。

火が通ったら一度別の容器に移しておきます。

 

 

次に玉ねぎを炒めます。

中火から弱火にして飴色になるまで10~15分じっくり炒めます。

仕上げに人参とコーンを入れて軽く火を通します。

 

 

ここでひき肉と野菜をさらに炒めます。

 

 

ここで生姜を大量に投入します!

まるまる1個すりおろして加えてください。

 

 

いい匂いがしてきたら水を加えます。

 

 

しばらく煮込みながら灰汁をしっかり取り除きましょう。

 

最後にカレー粉を入れて15分ほど弱火で煮込みながら水分を飛ばしていきます。

カレー粉はルータイプではなく粉末タイプがお勧めです。

 

 

台所、家中に生姜とカレーの匂いが充満してきたら完成です。

今回はトマトを入れてみました。

 

 

続いて、付け合わせのトッピングを作ります。

 

玉ねぎを0.5mm程度薄切りにします。

 

 

薄切りにした玉ねぎに小麦粉をまんべんなくまぶします。

 

 

180度の油で一気に揚げていきましょう。

 

 

カリカリにしたいので泡が出なくなるまで、焦げる寸前までしっかりと揚げきります。

 

 

これで完成です。

 

 

白米を炊いてドライカレーをよそって食べるだけです。

この時先程作ったトッピングを振りかけて一緒に食べると美味です。

 

 

義理祖父は17年前にガンで他界しました。

義理祖父からはいくつかレシピを教わりましたが、その中でも一番大切にしているのがこのドライカレーです。

残念ながら義理母とカミさんはあまり料理が得意ではありません。

世代を超え、血のつながっていない私が秘伝のレシピを受け継いだという奇妙なお話でした。

 

ぜひ一度試してみてください。