SHE'Sの武道館ライブの前に少しだけ寄り道して隣駅の神保町へ行きました。
武道館から徒歩で6~7分ですね。
目的は「古書店街」です。
大学4年生の時によく通った街でもあります。
当時私は卒業論文を書くためにありとあらゆる文献に目を通しました。
ちなみに論文のテーマは「ビートルズの英国性」
かなりマニアックなテーマでしたね。
親父の影響でビートルズが大好きで小学生からこの歳になる今でも聴き続けています。
特に私は初期の作品が好きでして『Revolver』くらいまでの作品がお気に入りです。
そんなビートルズの歴史も徹底的に調べました。
メンバーのそれぞれの生い立ちはもちろん、デビュー前にいた幻のメンバー「スチュワート・サトクリフ」「ピート・ベスト」なんかもたくさんの本を読んで知りました。
プロデューサーのジョージ・マーティンやビートルズを作った男と言われるマネージャーのブライアン・エプスタインなんかの人物伝も読んだものです。
だから卒業論文はビートルズに関することをまとめたら楽勝でしょう!と安易に考えていたんです。
私の学部は外国語学科英語コース!
ほとんどの授業が英語で行われ教科書も英字でした。
3年生になり楽だろうと安易な気持ちで選択したゼミの先生は「イギリス史とイギリス文化」の専門家でした。
ビートルズについて卒論を書きたい!と相談したら「ビートルズの英国性」というテーマで書いてみなさいと言われ書き始めたんです。
ビートルズについて書けと言われれば、参考文献などなくてもスラスラと書けるだけの知識はありました。
しかし、ビートルズの音楽やその生き様に英国性を見い出せと言われてもちょっと困ります。
だってそんなこと考えながら聴いたこともなかったですし、そんなの今まで読んだ本には書いていないからです。
ビートルズの音楽のルーツはアメリカからリバプールの船乗りによって伝えられた「スキッフル」という音楽です。
スキッフルは、ジャズ、ブルース、フォーク、ルーツ・ミュージック、カントリー・ミュージックなどの影響を受けた音楽で、手作りの楽器や、即席の楽器で思い思いの演奏をする庶民の音楽でした。
そのスキッフルに影響を受けたジョン・レノンがビートルズのサウンドを作り出します。
これ以上長く書くときりがないのでこの辺にしますが、このスキッフルを糸口にビートルズの音楽に英国性を探す作業が始まりました。
大学4年生の当時は1999年!
その当時、インターネットはそれなりに普及してましたが、まだまだ検索しても必要な情報が簡単には手に入りません。
情報量は現在の100分の1以下だったと思います。ほんとに!
大学の図書館にも必要と思われる本はあまりありませんでした。
そこで私が通ったのが神保町でした。
ここには一般的な本屋さんではなかなか目にすることのない希少かつ、マニアックな本がたくさん売られています。
特に古書には私の求めている情報が多く書かれているものがたくさんありました。
もちろん英国性を調べるにはイギリスの歴史や文化も同時に調べなければいけません。
50冊くらいの古書を片っ端から読んでは写し、論文は半年をかけて完成しました。
論文はA4の紙にギッシリ書いて40枚ほどになりました。
それとは別に20枚ほどの要約を英文で書かなければいけません。
この時は本当に毎日部屋に籠って一生懸命書いたものです。
論文の最終発表は学部長と教授3名による面談形式でした。
私の書いた渾身の論文を読んだ教授たちが次々と質問をしてきます。
きちんと読んでくれたようで具体的かつマニアックな質問が次々に出てきます。
厄介だったのはAというおばちゃん教授です。
実はこの教授!かなりのビートルズマニア!!
何度か授業や学食で個別にビートルズ話のすることがあったのですが、私のマニアックな知識に感心してくれたことがありました。
そのAというおばちゃん教授はここぞとばかりにグイグイ質問してきます。
私も負けじと応戦!
結果的におばちゃん教授を論破してやりました!
その時のおばちゃん教授の悔しそうな表情に妙な優越感を覚えましたね。
若い頃は本当に性格悪かったんですよね!
気になる論文の評価ですが・・・
「Bマイナス」でした。
論文の評価は一番上が「AA」「Aプラス」「A」「Aマイナス」「Bプラス」「B」「Bマイナス」「Cプラス」「C」と細かく分かれていました。
ちなみに「Cプラス」は再提出で「C」は留年確定!
私はギリギリのところで卒業できたと言うわけです。
ちなみに同じ学部に通っていたカミさんの卒論は「A」だったとか・・・
久しぶりに神保町に降り立ちとても懐かしい気持ちになりましたね。
本屋さんで色々な本を物色したのですが、今回は欲しいものが見つかりませんでしたので結局手ぶらで帰りました。
また時間があれば行きたい場所でもあります。
さて、そんな神保町で美味しそうなお店を発見しました。
「肉の罠」
ハンバーグが自慢の居酒屋です。
ソースなどは付けずに塩味だけで十分満足できるジューシーさでしたよ。
この店自慢のハンバーグをおいしくいただいて私は武道館に向かったというわけです。
以上神保町の思い出でした。