従弟がオペラ歌手をしています。
なかなか疎遠になっていましたが、最近は精力的に活動をしていてSNSや身内からの情報で近況を知るようにもなりました。
従弟は長野県の父の実家で生まれ育ちました。
幼少期からピアノを嗜み、声楽に興味をもった影響で国立音大へ進学します。
そこで本格的に声楽を学びオペラ歌手になったわけです。
そんな従弟は2年前神奈川県の小田原市に「小田原オペラ」という団体を立ち上げました。
小田原にゆかりのある音楽家を集め本格的なオペラ団体を結成したんです。
その小田原オペラの本公演が行われるとの情報を耳にしたので仕事をサボり小田原まで足を運んだというわけです。
その日は今年に入って初めて丸一日完全に仕事を休みました。
自宅から小田原までは車で1時間ほどです。
朝早くから車を走らせ小田原へ向かいました。
(小田原厚木道路で何台もの車が覆面パトカーの取り締まりにあっていて驚きましたが・・・)
せっかくのオフですのでオペラ鑑賞の前に小田原を観光したかったんです。
まずは小田原城へ!
ここに来るのは8年ぶりでしょうか?
会社の連中とツーリングで来たのが最後です。
せっかくなので小田原城の中に入ったり資料館などにも立ち寄りました。
歴史が好きな私にとっては最高の時間でしたね。
その後は小田原城の周辺をブラブラと散策。
NHKの人気番組「ブラタモリ」のように、城壁やお堀の跡、城壁に使われた石なんかを1人静かに見て回りました。
細かいところまで見るとやはりロマンを感じますね。
神社にも立ち寄り公演の成功をしっかり祈願!
その後は小田原駅周辺で食事を取りました。
ネットで調べた有名な?レストランです。
取れたての地魚を使った定食を1人堪能してまいりました。
美味でした!
そしていよいよオペラ鑑賞です。
今回公演が行われたのは「小田原三の丸ホール」!
小田原城のお堀のすぐ隣に昨年できた立派なホールです。
大ホールに入るとすでに大勢のお客さんが詰めかけていました。
コロナ禍にも関わらず凄い盛況ぶりです。
ホールも本当に綺麗で素晴らしい!
こんな素敵な場所でオペラ鑑賞が出来ることがある意味幸せです。
そしていよいよ幕が上がりました。
オーケストラの生演奏に合わせて素敵な歌声がホールに響き渡ります。
昨年、ちょっとしたボーカルレッスンを受けた私にとって、その歌声はとても心に響きました。
「歌なんて音程がしっかりとれてて声を張り上げて唄えばいいじゃん!」と思っていた私のいい加減な概念はボーカルレッスンで完全に覆されたからです。
声を響かせることは楽器を上手に演奏する以上に難しい気がします。
生まれ持った声帯の力もあると思いますが、綺麗に歌声を響かせるためにはその仕組みを知ることはもちろん、相当な鍛錬と日々の心掛けが必要なはずです。
ボーカルレッスンを受けた今だからこそ、その難しさが本当によくわかったりもします。
(声帯の仕組みとかそれにかかわる用語「声帯筋」「声帯粘膜」「軟口蓋」「舌骨」「咽頭原音」とか自分なりに勉強はしたんですよ!真面目なんで・・・)
従弟も含め演者さんの歌声を聴きながら本当に感心してしまいました。
マイクなんか使わなくてもホールの隅々まで響く声、決して大きな声ではないのに耳にしっかりと届く声、相手の声量やキーの高さに合わせた絶妙なハーモニー・・・
プロはやっぱり凄い!とあらためて思わされた瞬間でもありました。
今回の演目は「こうもり」
オペラのジャンルの中でも「オペレッタ」と呼ばれる喜歌劇になります。
本格的なオペラは難しく堅苦しいイメージがありますが、オペレッタは普通のセリフと歌の混じった、素人でも楽しめるライトな感じのオペラです。
日本の古典芸能でいえば「オペラ」が「能」で「オペレッタ」が「狂言」みたいなイメージでしょうか?
ちなみに「ミュージカル」は「歌舞伎」みたいなものでしょうかね?
自分なりの勝手な解釈ですが・・・
話の内容は省略しますが、今から約150年前に作られたオペラの定番中の定番の演目です。
毎年のように有名なオペラ団体がこの演目をやっていますね。
そこまで詳しくない私でも名前と大体のお話くらいは知っているくらいです。
その他にもオペラの演目と言えば「魔的」「フィガロの結婚」「椿姫」「カルメン」「蝶々夫人」などが有名でしょうか?
小田原オペラの「こうもり」の演出は本当によくできていました。
セリフのところどころに流行りのワードを組み込んだり、時事ネタを入れてみたり、中世ヨーロッパを舞台にした話ですが、現代風に絶妙にアレンジされていて非常に楽しめる演出が盛りだくさんでしたね。
特に地元のバレー団の本格的なバレー披露や、小田原にゆかりのあるパントマイムのパフォーマーさんの小ネタなども演目の中にうまく取り込んでいて、お客さんが飽きない工夫が盛りだくさんでした。
舞台のセットはシンプルでしたが、代わりにプロジェクションマッピングを使用した奥行き感と臨場感のある舞台選出も良かったです。
プロジェクションマッピングにもう少し動きがあるとさらに盛り上がるような気もしましたが・・・
そんな素晴らしい舞台で堂々と演じている従弟の姿を観て目頭が本当に熱くなりました。
ここまでの道のりは決して平坦ではなかったはずです。
しかもコロナ禍で思うように活動することも難しかったでしょう。
日々の練習もリハーサルも気を使うはずです。
そして、オペラを公演するにはたくさんの人と物とお金がかかります。
演者さんはもちろん、舞台演出、メイク、撮影、プロモーション、そして何よりオーケストラの手配!
大きな箱になればなるほどその準備や手配は大変になるはずです。
それらをしっかり行い、公演を成功させた従弟を私は誇らしく思います。
もちろん多くの方々の協力があってこそでしょうが、普段からきちんとしていないとその協力すら得られませんしね。
身内が出演しているという贔屓目の視点はあるとはいえ、本当に素晴らしい公演であったことは間違いありません。
またぜひ足を運びたいと思いました。
リンクを張っておきますので興味のある方はぜひ一度公演に足を運んでみてください。
ちなみに私のすぐ前の席には小田原市長さんが座っていました。
この市長さんもまた素晴らしい人ですね。
地元小田原を芸術の面で盛り上げたい!という思いが伝わってもきました。
小田原っていいところだな~
小田原オペラ
小田原オペラ | 小田原を中心に活動する小田原オペラ (odawaraopera.com)