40過ぎの音楽学校通い

先日お話したように新型コロナウィルスの感染拡大により、家にいる時間が多くなった自分は20数年ぶりにピアノと向き合いだしました。

若いころ覚えたコードを手探りで演奏する毎日。

家族全員「オヤジ急にどうした?」といった表情になりましたが、他にやることもなかったのでほぼ毎日ピアノに向かっていました。

 

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最新のヒット曲を弾きたくて本屋さんへ行き「月刊歌謡曲」を探しました。

中学3年から6年間買い続けていた馴染みの雑誌です。

しかし、本屋さんの音楽雑誌コーナーにそれはありませんでした。

後で知ったんですが2012年に廃刊になったようです。

仕方がなくコードが載っていそうな本を買って帰りました。

家に帰りその本を開いてピアノを弾いていると長男が不思議そうな顔をして近づきこう言いました。

「本なんか買わなくてもネットで出てるじゃん!」

一瞬「こいつは何を言っているのか」と思いましたが長男はすぐに自分の携帯で私に画像を見せました。

そこには最新ヒット曲のコードがきちんと書かれていたんです。

インターネットでコードを検索するなんて発想が全く無かった私はとても驚きました。

同時に「どんだけ時代についていけてないんだ俺は・・・」と反省。

浦島太郎状態です。

 

長男に教えてもらったサイトは本当によくできていました。

最新ヒット曲のコードと同時にYouTubeの動画が流れるんです。

その動画に合わせてコードも表示され簡単に弾けるようになっていて、これには大変驚きました。

「世の中にはこんな便利なもんがあるのか?」と大興奮です。

月刊歌謡曲」が廃刊になるわけです。

 

この日からこのサイトを使い、色々な曲を演奏する日々が始まりました。

カミさんも最新のヒット曲を私が奏でているもんだから「あんたもまだまだ若いね~」なんて言ってくれました。

ピアノに向かう日々が数か月続くとある感情が芽生え始めました。

20数年前の音楽への情熱が蘇ってきたんです。

 

私は昔買った音楽理論の本を再び読み返しました。

ある程度は頭に入っていたのですが、あらためて読むと新鮮でなりません。

同時にインターネットでも色々と調べる毎日。

一度何かに夢中になるととことんやらないと気が済まない性格がここでも悪さをしまして、気が付いたらすっかり音楽マニアになっていました。

しかし、どうしてもわからないこともたくさんあるんです。

音楽理論はもちろん、演奏技術やコードの抑え方などなど・・・

独学に限界を感じた私は、気が付いたら以前サイトにバナー広告が出ていた、とある音楽学校にメールを送っていました。

 

2週間後自宅から30分ほどのところにある音楽学校を訪れました。

そこで自分が学びたいことと、半年間しか通えないことを伝えました。

すると「そんな都合の良い授業は行っていません」とハッキリ言われてしまったんです。

しかし「個人の先生ならご紹介できるかもしれません」と教えてくれました。

連絡先を渡し、一度家に帰りました。

するとその夜一通のメールが届いていたんです。

 

そのメールの主が私が半年間お世話になることになる先生でした。

プロのバックバンド奏者として活躍している傍ら、自宅でピアノ教室をしている中年の女性の方です。

3日後に先生の自宅を訪れました。

2階が教室になっていて立派なピアノはもちろん、ギターやベース、DTM用のPCやモニターもありました。

簡単にご挨拶をし、私の習いたいことを伝えたところ先生は「いいね~そういうの好きよ!」と笑顔で答えてくださり、その日から正式な生徒になったんです。

先生は11月上旬までしか通えない私に合計15回のカリキュラムを用意してくれました。

音楽理論の座学からコード理論、そしてそれぞれのジャンルに合わせた演奏テクニックを学習するためのカリキュラムです。

 

最初の4回は徹底的に音楽理論を叩き込まれました。

ピアノに向かいながら実際に教えてくれるので非常にわかりやすかったです。

5回目以降はコード理論です。

昔独学で覚えたことなんて本当に役に立ちません。

一から徹底的に教えていただきました。

9回目以降は演奏技術を習いました。

JAZZっぽく弾く方法、歌いやすい伴奏方法、他の楽器に合わせて弾くためのテクニックなどなど・・・

半年間限定という事もあり先生も私も必死です。

短い期間でどこまでできるようになるのか?

最初は不安でしたが私は夢中で勉強と練習に励みました。

 

最後のレッスンは11月7日の夜でした。

先生が事前に打ち込んでくれていた楽器の演奏に合わせて5曲のメドレーを弾くという最終課題です。

クラシック・JAZZ・POPなどの要素が詰まったメドレーです。

途中で何度か間違えながらも20分間の演奏を終えました。

弾き終わると先生は笑顔で「おめでとう!これで卒業です!」と笑顔で言ってくれました。

この時の達成感は新宿のバーで味わった感じそのものでしたね。

 

40を過ぎてこんなことを始めるなんて全く思っていませんでした。

しかし、いつになっても学び続けることは大切なことです。

それが自分の大好きなものだったら夢中になれます。

 

ボーカルレッスンと音楽学

2021年は本当に多くの学びがある年でした。

同時に大好きな音楽への情熱も蘇りました。

40過ぎた素人の音楽好きのオッサンの挑戦はこれからも続きます。

たぶん・・・