いよいよ国政選挙が始まりました。
平成29年10月に行われた衆議院議員選挙では安倍総理のもと、自民党が284もの議席を確保し、公明党と合わせた与党で3分の2の議席数となりました。
令和元年9月に行われた参議院議員選挙でも自民党は57の議席を獲得しましたが、3分の2までの議席数は確保できなかったというのが現在までの情勢です。
そんな中、岸田新総裁のもとで行われる今回の衆議院選挙。
政治経済にはものすごくうるさい人間ですので、毎日興味津々で報道番組やネットニュースを見ています。
私の会社の近くには選挙事務所があります。
先日事務所開きが行われた際には多くの人が集まっていました。
私も誘われましたが丁重にお断りをしました。
その候補者を応援していないとか、支持政党があるから、と言った理由ではありません。
自分の政治的な主義主張をあまり人に話したくないからです。
選挙活動が始まると本当に多くの政治家が私のところを訪れます。
市議会議員、県会議員、参議院議員、支持団体の方々・・・
みなさん本当に一生懸命だなと感心するばかりです。
いつも私はその方々の挨拶をニコニコしながら聞いているだけですが、話を聞けば聞くほど自分の考えに蓋をしてしまいます。
もちろん私にも政治に対するきちんとした考えはあります。
このブログでも自分なりの考えを色々と書いてきました。
しかし、あくまでそれは匿名での話です。
お互いに素性が分かっている人の前ではあまり話をしたくないのです。
これはおそらく幼少期に母親から受けた教育の影響でしょう。
我が家では毎年必ず家族で投票に行っていました。
投票所が私と弟、妹が通っていた小学校の体育館でしたのでなんとなく連れて行かされたんです。
母親は投票所に行くと毎回必ず私の教室に忍び込んでいました。
今では考えられませんが、当時は体育館だけでなく学校全体が解放されていたんです。
投票日には誰もが学校へ入り放題でした。
それをいいことに、母親はズカズカと教室に上がり込みます。
そして私の席の引き出しをチェックするんです。
きちんと整理整頓されているか?勉強に必要な道具はそろっているのか?
母親曰く、引き出しの中を見ればきちんと勉強しているかどうかが分かる!とのことでした。
そして案の定毎回怒られていました。
整理整頓が苦手な私の引き出しはいつもグチャグチャだったからです。
投票に行くというよりも私の学校生活をチェックしに行くのが母親の最大の目的だったのかもしれませんね。
父と母が投票用紙に候補者の名前を記入している間は少し離れたところで眺めているだけでした。
いったい何をしているのか?
何のためにわざわざ学校に来ているのか?
幼いころの自分には非常に不思議な光景だったと記憶しています。
高学年くらいになるとさすがに何をしているのかはわかります。
そしてある投票日、母親にこんな質問をしてみました。
「誰に投票したの?父ちゃんと同じ人?」
その時母は私に静かにこう言いました。
「誰に投票したか、どの政党を応援しているとか大きな声でいうもんじゃない!夫婦でも家族でもその話はしないのがルールなの!たくさんの考え方があるんだからそれは心の中にしまっておくのが大人なのよ!」
この言葉は非常に印象に残りました。
夫婦で相談しながら決めているのかな~と思っていたのでそれはそれは意外でしたね。
もちろん母の言ったことが必ずしも正解ではありません。
夫婦間や家族間で深く話し合う方もいるでしょう。
会社内で投票を呼び掛ける人もいるでしょう。
選挙になると相変わらず電話を一生懸命かけてくる方もいます。
しかし、世の中の大半の人は私のような人間なのではないでしょうか?
昨日、早速選挙に熱心な方が私のお店に来ました。
「選挙ではぜひ○○をお願いしますね!この人な絶対に日本を変えてくれます!明るい日本の社会の為にぜひお願いします!」と熱弁をふるいに来ました。
さらに「今の政治をどう思いますか?」なんて聞かれました。
もちろんその方の主義主張を否定するつもりはありませんが、弁が立つので論破することもできます。
私なりの考えをぶつけることも当然できます。
しかし、あまり馴染みがない方にそんな話をするつもりはさらさらありません。
ましてや商売をしている身です。
色々なお客様が来ますので会社の代表として政治色を前面に出すことはあまり得策とは言えません。
だから私は「あまり興味がないのでよくわかりませんが、頑張ってください!」とだけ言いました。
私は俗にいう無党派層です。
支持する政党も応援する候補者もいません。
でも政治に関しては人一倍うるさい方です。
そんな私が候補者を選ぶ基準はただ一つ!
「その人が仕事ができる人かどうか」です。
有名な大学を出た高学歴な人。
大きな団体で活動した経験がある人。
肩書が立派な人。
どこの誰だか全く分からない人。
選挙になるとたくさんの人が立候補をします。
そんな方々一人ひとりをしっかりと見極め投票をするわけです。
仕事ができるかできないかは過去の実績や肩書だけでは判断できません。
もちろん政治家として多くの実績を残している人は別ですが、初めて政治の世界に飛び込むような人は肩書だけで判断されがちです。
しかし、超一流のスポーツ選手が必ずしもいいコーチ、監督になれるかというとそれはまた別の話です。
企業でも、超一流の経営者であっても潰れそうな会社を再建できるとは限りません。
やってみないと分からないところが多い難しさもありますが、やはりその方の仕事力みたいなものを見極めることが重要なんだと思っています。
昨晩息子と今回の選挙について話をしました。
息子も私と同様「この人頭良さそうだけど仕事出来なそうだよね?」なんて言っていました。
なんとなく私に似てきたんでしょうか?
今回の選挙も家族で投票に行く予定です。
娘も投票権を手に入れました。
本人は興味がないみたいですが家族で清き一票を入れに行こうと思います。