バチが当たった!

先日歯医者さんが大嫌い!という記事を書きました。

歯医者さんが本当に嫌いで、歯医者さんの前を通ったり看板を見ただけでも嫌気がさすほどです。

そんな歯医者さん批判をブログで書いたからでしょうか?

バチが当たりました。

 

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仕事中、いつものようにキシリトールガムを噛んでいた時です。

なんだか違和感を感じて噛むのをやめました。

次の瞬間!

舌に金属片が刺さったんです。

すぐに吐き出してみると歯に入れている詰め物、いわゆる銀歯が取れてしまいました。

 

銀歯を入れたのは中学生の時です。

私の歯に30年近くしっかりとめり込んでくれていた銀歯がこのタイミングで取れるなんて・・・

こんな事ってありますか?

歯医者の悪口書いたからなのか?

 

取れた銀歯を何とかDIYでもとに戻せないものか?

アロンアルファー?セメント?シリコン?

仕事場には様々な工具や部材もあります。

なんなら歯医者さんで使用しているようなものもたくさんあるんです。

とにかく仕事場で使えそうなものを探し回りました。

すると長年一緒に働いている従業員がこう言いました!

「いい加減諦めなさいよ!歯医者さんに素直に行くべき!」

その従業員の奥さんは歯医者さんで働いているので何かとうるさいんですよね。

「いい歳こいて往生際が悪い!」とまで言われる始末・・・

 

仕方がないので歯医者さんに電話しました。

職場のすぐ隣に3年ほど前に開業した歯科医院です。

電話をかけると受付の女性にそっけなく対応されます。

私:「あの~詰め物が取れたので見てもらいたいんですけど~」

受付嬢:「診察券番号をどうぞ!」

私:「初めてなんですけど・・・ 食事もままならないのでなるべく早くいきたいのですが・・・」

受付嬢:「14時・15時・17時のどこがいいですか?」

私:「今日すぐに見てもらえるんですか?」

受付嬢:「すぐ見て欲しいって今おっしゃったじゃないですか~」

私:「17時でお願いします」

受付嬢:「場所はわかりますか?」

私:「隣のお店のものなので・・・」

受付嬢:「17時にお待ちしてます」「ガチャ!!」

という感じであっさりと予約が取れたんです。

それにしてもあっさりした対応だったので少しだけ驚きました。

 

17時までの間、仕事をしていましたがどうしても落ち着きません。

だって歯医者に行くのなんて25年ぶりなんですから!

痛かったらいやだな~ 何度も通わないといけないのかな~ 麻酔されると変な味がするんだよな~ とか昔の嫌な記憶が蘇るばかりです。

そうするとだんだん憂鬱になってくるんです。

あと数時間後、俺は痛い思いをしなければいけないんだ!

トラウマになっているあの嫌な機械音を聞かなければいけないんだ!

先生に嫌味を言われなければいけないんだ!

もう仕事どころではありません。

私の機嫌がどんどん悪くなってくるのが従業員に伝わったのか?今日は社内がいつもより静かです。

 

そして運命の17時になりました。

保険証を持って歯医者の前で深呼吸です。

心拍数がどんどん上がるのが分かります。

勇気を振り絞って自動ドアを開けました。

とても綺麗な歯医者さんです。

私の歯医者さんに抱いていたイメージとは大きく違いました。

歯医者さんで良く感じたあの独特の匂いも全くしません。

それでも、嫌な記憶が蘇りそうなのを必死に我慢して受付の方に声をかけました。

 

私:「17時に予約したものです」

受付嬢:「初診なのでまずはこちらに記入をお願いします」

私:「歯医者さんにくるのは25年ぶりなんですが・・・大丈夫ですか」

受付嬢:「・・・ とりあえず記入をしてお待ちください!」

あまりの緊張で言葉のキャッチボールすらままならないんですね。

初診表にボールペンで記入をしようとしたのですが、指が震えて上手く書けません。

それほど緊張状態でした。

何とか書き終え受付嬢に返します。

受付嬢:「お呼びするまでお待ちください」

再び待合室のイスに座ります。

緊張で背筋がピンと伸び、手を太ももの上でグーしている自分に気が付きました。

完全に学生時代の集合写真を撮る時のポーズです。

 

しばらくすると名前を呼ばれました。

大きな声で「ハイ」と言ったら少し笑われました。

診察室に入るとあの歯医者さん独特の診察台が目に飛び込んできます。

昔の記憶が鮮明に蘇ってきて手汗をかき始めました。

診察台に座るよう促され、覚悟を決めます。

歯科助手の方に「まもなく先生が来ますのでお待ちください」と言われました。

先生が来るまで1~2分あったでしょうか?

私は診察台の上で相変わらず背筋をピンと伸ばしてただただ1点を見つめています。

しばらくするとさわやかな先生が後ろから現れました。

先生:「こんにちは~ ようこそいらっしゃいました~ よろしくお願いします」

私:「あっ!すみません」

なぜか謝ってしまいました。

先生の操作で診察台が動きます。

頭が下がると先生の顔がようやくはっきり見えました。

先生は目の前にあるライトを付けます。

すさまじく眩しいあのライト!

思わず目を閉じました。

口を開けてくださいと言われ口を開けましたが、あまりの恐怖で口が大きく開けられません。

目をめいいっぱいつぶって、肩に力が入り、力いっぱい拳を握っています。

その姿を見た先生は一言「怖がらなくて大丈夫ですよ~ しっかり見て治しますから」と言ってくれました。

その言い方にすごく安心感を覚えたのか?体の力が自然と抜けていきました。

すぐに先生は銀歯が取れた個所を確認します。

そして「あ~取れただけですね!今日詰めて終わりますから~」

その言葉にもまた驚きました。

今日治るんかい!!

先生はそう言うと治療を始めました。

早速私が一番嫌いな歯を削る機械を手に取ります。

左手には唾液や異物を取るバキュームが!!

次の瞬間!

歯に振動を感じました。

しかし!キュイーンという不快な音や新幹線のトイレのようなバキュームの音も聞こえません。

数秒で機械を使った処置は終わりました。

痛みは全くありませんでしたね。

すぐに詰め物の原型と思われるものを先生が持ってきて「噛んでいてください!」と言われました。

そのまま3分ほど歯を食いしばりながら放置されます。

その後、歯科助手の女性の方が詰め物の周りに付いた余計なものを丁寧に取り除いてくれました。

そして「終わりです!」と言われ治療終了です。

診察台にいたのは10分程度!

こんなに早く終わるんもんかな?と疑問に感じながら待合室へ。

すぐに受付に呼ばれ「本日は1,040円で~す」と言われました。

私:「もうこれで終わりですか?」

受付嬢:「はい!もう終わりですけど」

私:「次の予約とかいらないんですか?」

受付嬢:「ほかに何か希望の治療があるんですか?

私:「いや・・・ありません」

受付嬢:「お大事に~」

 

25年ぶりの歯医者での治療はあっさり終わりました。

あんなにビクビクしていた自分が恥ずかしいです。

今どきはこんなスムーズな治療なのでしょうか?

25年前とはだいぶ変わったのでしょうか?

それとも私の通っていた歯医者さんがよほど酷かったんでしょうか?

結局疑問ばかりが残りました。

 

銀歯が抜けたせいで昨晩から何も食べていません。

今からお腹いっぱい食べます。

歯の大切さを感じながら!