お客様は神様です?

商売をしていると色々なお客様に出会います。

おかげさまで99%は素敵なお客様です。

しかし・・・

1%くらいの確率で変なお客に出会います。

何を話しているのか?

何を求めているのか?

何が目的で来店されたのか?

結局どうしたいのか?

全く理解できない方が少なからずいるものです。

 

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人が買い物をする場合には必ず動機があります。

なんとなく買ったものでも理由は必ずあるはずなんです。

しかし、年に1人くらい全く意味不明な方が来ます。

先日もそんな方に振り回されました。

 

そのお客様は昨年に初めて当店でお買い物をしていただきました。

その時は非双方気持ちよく商談が成立しお帰りになられたんです。

しかし一か月前・・・

別のお車でお買い物をしていただきましたが、明らかに昨年とは様子が違いました。

まるで別人のような態度で違和感を感じたんです。

何があったんだろう?と思いましたが個人のプライベートなど知る由もありません。

気味が悪いな~と思っていたら案の定1本の電話が入ります。

「購入した商品が明らかにおかしい!すぐに別の商品に交換しろ!」と言うんです。

俗にいうクレームというやつです。

 

こちらが提供した商品に何か瑕疵があれば当然対応します。

しかし、具体的な話を聞いてもハッキリと答えてくれません。

とにかく商品がおかしい!交換しろ!の一点張りです。

こちらとしてもしっかりと状況を把握してから対応したくてもなかなか応じてくれません。

さらに一日に何回もしつこく電話をかけてくるんです。

そのたびに30分ほど電話で話をしなければいけないので他の業務に支障が出ます。

ハッキリ言って面倒なんです。

 

実はこんな経験は過去に何度もしてきました。

言いがかりはもちろん、ゆすりやたかりもありました。

そのたびに丁寧に対応してきましたが、結局はお店が損をしなければ解決しないという事は過去の経験から学んでいます。

最近は「カスハラ」なんて言葉が出てきましたが、大昔からある話なんですよね。

ですが、こちらに何の落ち度もないのに言いがかりをつけられることには納得は出来ません。

口喧嘩では絶対に負けませんし、突っぱねることもできます。

でもそれをやると膨大な時間と手間が奪われるんです。

 

お客様はその人だけではありません。

日々色々なお客様を対応しなければ商売になりません。

だからたった一人の迷惑な人間にそれを邪魔されることは商売上よろしくないのです。

今回もグッと我慢して要望に応えました。

 

あとでそのお客の素性を徹底的に調べました。

そしたら昔からの地元の同級生という方から話を聞くことが出来ました。

なんでもプライベートで色々なことがあり、ここ一年で人が変わってしまったんだとか・・・

話を聞けば聞くほど哀れに思うほど苦労があったみたいですね。

それにしてもなんで買い物をしたのか?全く分かりません。

代替え商品も見た目も機能もほとんど変わらないものなんです。

動機も要望も全く理解できません。

ま~そんな人間をこれまで何十人と見てきましたから慣れっこでもあります。

 

こんな時はポジティブに考えるしかありません。

お店を長年利用してくださる多くのお客様は皆いい方ばかりです。

当店を信頼してくださり、ご紹介もいただいております。

99%が当店自慢の優良なお客様です。

しかし1%くらいは残念なお客様もいるんです。

でもそれはほんの一握りです。

その一握りの方に今まで築き上げたお客様との信頼、お店の伝統を壊されることは絶対にありません。

ほとんどの方が自分の味方です!

そう思えば少しは気持ちが軽くなるものです。

1%の客は先日紹介した「人間1回目」と思うことにしましょう。

 

今日も多くの常連のお客様が気持ちよくお店を利用してくれています。

私も従業員も皆ニコニコしながら気持ちよく対応できています。

その光景を見れば自分たちがやっていることは間違いなく正しい!と誇りを持てますね。

 

「お客様は神様です!」という有名な言葉がありますが私はこの言葉が大嫌いです。

もともとは演歌歌手の三波春夫さんが発したセリフです。

三波春夫さんは「お客様は神様のように偉い!」という意味でこの言葉を使ったわけではありません。

「お客様の前で歌う時には心を穏やかにし、雑念を払い、真っ白な心で歌いたい!それはまるで神様にお祈りする時のように・・・」

という思いで発言したと言われています。

それがいつの間にか解釈が変わり「お客様=絶対的存在」になってしまったんです。

おもてなし文化のある日本人らしいと言えばそれまでですが、やはり私は「売り手と買い手は対等」でないといけないと思います。

 

買い手はきちんとした商品やサービスを受けるためにそれに見合う対価を支払う

売り手はその対価に見合う商品やサービスをきちんと提供する

 

それ以上でもそれ以下でもないはずです。

もちろん気持ちよく取引するためにはお互いの気持ちや情も必要でしょう。

でも根本にあるものは変わらないはずですね。

 

自分の好きな言葉に「真摯にひたむきに」という言葉があります。

これからも自信を持って「真摯にひたむき」に商売をしていきます!