東京リベンジャーズ

知り合いにすごい勢いで勧められたアニメがあります。

「東京リベンジャーズ」

一人ならともかく複数の人から「これ絶対に見た方がいい!」と勧められたので見てみました。

 

f:id:BECHSTEIN:20210921191916p:plain

 

元ヤンキーの主人公が成人になり、中学生時代の恋人が暴力団の抗争に巻き込まれ亡くなったニュースを目にします。

その後、主人公はバイトの帰りに駅のホームから何者かに突き落とされます。

死を覚悟した主人公は気が付くと12年前の不良時代であった中学2年生にタイムリープします。

そこで偶然にも元恋人の弟に出会います。

そして弟に姉が12年後に亡くなることを伝え握手します。

すると現代にまたタイムリープします。

互いが握手するとタイムリープ出来ることが分かった二人は12年前に戻り未来を変えようとする。

というお話です。

 

ヤンキーがタイムリープするという斬新な発想で描かれたこの作品は、確かに今までありそうでなかった設定かもしれません。

また、ヤンキーという懐かしい文化が大人たちをひきつけているのかも?とも思います。

作者は「新宿スワン」の和久井健さん。

アウトローな人物を題材にした作品が多い印象です。

 

先日少年野球チームの小学生に「東京リベンジャーズ」を見ているか?と聞いたところほとんどの子が見ていると答えました。

そしてふと疑問に感じました。

ヤンキー文化って今の子にわかるのか?

 

今から30年前、私が中学生の時にはまだ「不良」「ツッパリ」「暴走族」「ヤンキー」なんて文化が普通にありました。

同級生にも「短ラン+ぼんたん」「長ラン+どかん」と呼ばれた学生服を着ていた人間はいましたし、卒業式では「特攻服」で参加した人間もいます。

授業中に校庭に暴走族がバイクで侵入し、先生方が大慌てで事態に対応しているなんて光景は日常茶飯事でした。

トイレの便器は割れていたり、割れた校舎の窓ガラスにはよくガムテープが張られていたものです。

街に出ればいたるところにスプレー缶で書かれた落書きが!

「愚連隊」「喧嘩上等」「特攻隊長」なんて文字が乱暴に書かれていたものです。

私自身全く興味がなかったので深入りすることはありませんでしたが、それでもヤンキーの友人たちと遊んだり多少の悪さはしました。

高校生になると「ヤンキー」から「チーマー」と呼ばれる連中に出会いました。

アメリカのラッパーのようなストリートファッションに身を包み、渋谷や新宿に繰り出しては悪さをしていた連中です。

そんな連中とも少しだけつるみましたが、かつての「ヤンキー」とは違い上限関係や友情、筋を通すなんてことは全くなかった印象です。

その場の雰囲気で勝手に誰かが盛り上がり、悪さをしていたような気もします。

もちろん全く興味がなかったので深入りはしませんでした。

 

しかし、ここ20年は「ヤンキー」や「ツッパリ」なんてほとんど見かけません。

成人式で暴れている連中をTVで見るくらいです。

もはや「ヤンキー文化」なんてものは完全消滅したものだと思っていました。

 

しかし、令和になってまた「東京リベンジャーズ」のようなヤンキーを題材にしたアニメや漫画が流行っています。

ドラマ化された「今日から俺は」なんかもそうでしょう。

いったいこの現象は何なのか?

疑問だらけです。

 

「ヤンキー」や「不良」「暴走族」を題材にした作品はこれまでも多くの人気を集めてきました。

ろくでなしブルース」「特攻の拓」「湘南純愛組」「BE-BOP-HIGHSCHOOL」「クローズ」なんかは夢中で読みました。

でも周りに似たような連中がいたので非現実的なフィクションの話として読んでいた印象はあまりありません。

登場人物を身近な人間に感じたり、少し控えめなキャラクターは自分と重ねたりしながら読んだものです。

だから今の若い人たちがどんな感情を抱きながら「ヤンキー漫画」を読んでいるのか?気になって仕方がないのです。

「ヤンキー」が本気でカッコいいと思って読んでいるのであれば、街にはそのような人間が増えてもおかしくないはずです。

でも若い人たちを見ているとそんな感じの子は全く見かけません。

ここに違和感を感じてしまう中年オヤジです。

 

あくまでも若い人たちにとって「ヤンキー」はキャラクターの一部なのでしょう。

現実の世界ではほとんど見かけることはない仮想の人間なのかもしれません。

それでも「ヤンキー」のキャラクターが幅広い世代の人間にウケるのは日本人の中に訴えかける何かがあるのかもしれませんね?

 

私の周りには、昔相当悪かった人達が友人やビジネスパートナーとして多くいます。

どの方も今では昔の面影なんて全くありません。

いつもニコニコしていて面白おかしくお酒を一緒に飲んでくれます。

しかし、その方々の10代の頃の写真を見せてもらうと少しだけビックリします。

みなさんバリバリの「ヤンキー」だからです。

でも武勇伝を自慢げに話すような方は一人もいません。

逆に昔の話をすることを恥ずかしがるような方ばかりです。

だからお付き合いをしていても非常に好感を持てるんです。

さらに!そんな方々は非常に義理堅かったり筋を通してくれます。

私が困っている時には全力で助けてくれますし、義理人情に溢れています。

そして皆さん曲がったことが大嫌いです。

だからいつも的確なアドバイスをくれたりもします。

本当に尊敬できる方々です。

 

きっと「ヤンキー」って人間味に溢れているから好感を持てるんでしょう。

特にアニメや漫画のキャラクターはどこか不安定な言動がありながらも義理人情や筋をすっかり通すまっすぐなところがあります。

なんとなく人気の理由が分かったような気もしますね。

 

実は東京リベンジャーズはまだ全てを見たわけではありません。

今度の休日あたりに続きをしっかり見たいと思います。

映画化もされているのでそちらも気になります。