八ヶ岳

またまた山のお話を。

私が今まで登った山の中で一番印象に残っているのは八ヶ岳です。

 

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八ヶ岳は長野県と山梨県に跨る山々の総称です。

八つの大きな山があるというわけではなく、八百屋と同じで多くの山があるという意味で八ヶ岳と呼ばれるようになったのだとか・・・

もちろん日本百名山の一つでもあり、多くの登山家が一度は訪れる憧れの山でしょう。

登山を始めてからずっと憧れていた山でもありました。

八ヶ岳への憧れは実は幼少期の頃からあったんだと思います。

父の実家が長野県だったこともあり、毎年お盆や正月には車で中央自動車道を走りました。

中央自動車道から大きな山が見えてくるたびに父が「あれが八ヶ岳だぞ!」と毎回教えてくれていたことを今でも覚えています。

実家の居間には八ヶ岳の写真やタペストリーなどが飾ってありました。

長野県民には縁の深い山々であることは子供心にわかっていたつもりです。

そんな山にこの歳になって登るとは夢にも思っていませんでしたが・・・

 

今から4年前、私に山登りのすばらしさを教えてくれた友人にお願いして登りました。

丹沢をはじめ、上級者が登るような山をたくさん登って経験を積んだ私に友人はこんな提案をしました。

八ヶ岳のゴールデンコース(赤岳→横岳→硫黄岳)3山縦走にチャレンジしましょう」と!!

正直何を言っているのか?どのくらい大変なのかはわかりませんでしたが、好奇心に任せて挑戦しました。

 

10月の上旬!

最高の天気の中、深夜に車を走らせ登山口である美濃戸口をまだ薄暗い時間から登り始めました。

何度も登っている友人の後ろをただひたすらについていくだけです。

最初は登山と言うより沢歩きのような道でした。

2時間ほど歩いていよいよ赤岳の真下にある行者小屋につきます。

朝早いこともあり気温が非常に低かったのを覚えています。

動きやすい軽装で来たこともあり、寒さ対策を怠ったことを少し後悔しました。

そこからは一気に赤岳の山頂を目指しました。

ひたすら登り続けるルートにさすがに息が上がり始めます。

また、この時初めて空気が薄いという感覚を覚えました。

それまで登ってきた山とは明らかに気温も空気も景色も違います。

それでもとにかくこの日は天気が良く、遠くの山々がはっきり見えるほど!

富士山はもちろん、北アルプス槍ヶ岳穂高岳御嶽山などもよく見えたためテンションはどんどん上がりました。

気がついたらあっという間に標高2899メートルの赤岳に到着!!

山頂で記念撮影をたくさんしました。

その後は休むことなく横岳へ!

ここへのアクセスは非常に怖かったです。

一歩間違えば滑落!そして即死亡!という危険な山道をひたすら進みます。

さすがビビりながら慎重に進みました。

横岳にも無事到着。

ここで友人が温かいカップ麺を作ってくれて一気に体力が回復します。

そのまま硫黄岳へ進みました。

私には硫黄岳が非常に印象に残っています。

他の山と違い、山肌の色がここだけなぜか違うのです。

また、山頂には非常に面白い形をした石が敷き詰められていまして別世界に来たような感覚に陥りました。

無事に3山登頂を果たした後はすぐに下山を開始しました。

日が暮れると面倒だからです。

さすがにこの時点で足がパンパンでしたが登頂を果たした山々を背に赤岳鉱泉に下山しました。

そして出発から9時間でスタート地点まで無事戻ってきたわけです。

22.5キロの大冒険でした。

 

登山を始めて数年の人間にはかなりハードなコースだったかもしれませんが、この登山経験は大きな自信になりました。

そしてもっと山が好きになりました。

今までで一番楽しかった登山だと思います。

 

その冬、友人は雪が積もった八ヶ岳に登りLINEをしてきました。

10月でも危ないと思ったのに、雪のある1月に平然と登るなんて・・・

この人は頭がおかしいのではないか?とさえ思いました。

私は絶対に雪山はやめておこうと思った瞬間ですね!

来年あたりまた登りに行きたいと思います。