歌うま

人前で何かするのが本当に苦手です。

特にカラオケ!!

本当に親しい人となら全然いいんですが、初対面の人やお付き合いなどで一緒になった人の前で歌を歌うことは私には苦痛以外の何物でもありません。

でも歌を歌うのは嫌いではないのです。

 

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幼いころ死んだ爺さんがレーザーカラオケの機械を買いました。

ド田舎の家にあるレーザーカラオケは当時としては大変珍しかったようです。

夏休みに帰省するとそのレーザーカラオケで親戚たちがカラオケ大会を開催していました。

お酒も入り盛り上がってくると子供たちにマイクが向けられます。

皆全力で拒否するもんだから、最後は自分が歌わないとその場が収まらなかったりするわけです。

しかも私は初孫!

親戚の子供たちの中で一番年上だったもんですからとにかく強制的に歌わされました。

もちろんレーザーディスクに子供向けの歌なんか入っていません。

物心つく前から耳元で爺さんに聞かされた演歌を歌うしかありませんでした。

爺さんが好きだったのは「矢切の渡し」と「さざんかの宿」

まだ7~8歳の子供に歌わせるにはあまりにもアダルトな曲です。

不倫の歌ですしね。

この2曲を罰ゲームのように歌わされるのがお盆の恒例行事でした。

それでも当時から音感があったせいか歌は音程を外さずに歌えるんです。

だからみんなから「歌がうまい!」と言われ育ちました。

 

中学生になると友人たちとカラオケボックスに行くようになりました。

テーブルの上に歌本が置いてあり、曲の番号をリモコンで入力していた時代です。

まだ声変わりするかしないかでしたので、女性歌手の曲も問題なく歌えました。

しかし、中学2年生くらいから本格的な変声期に入ります。

今まで出ていたキーが当然出なくなりました。

それでも他の男子よりはキーが高かったのでクリスタルキングの「大都会」は歌えていた記憶があります。

今考えれば中学生が歌う曲でもないですが・・・

 

高校生になると毎日のようにカラオケに通いました。

流行りの曲は片っ端から歌いましたし、器用にアーティストのモノマネが出来たので友人たちを楽しませることもできました。

ちなみに「尾崎豊」「河村隆一」「郷ひろみ」「藤井フミヤ」のモノマネは相当クオリティーが高かったと自負しています。

大学生になってからも週に1度は通っていたと思います。

歌には自信があったのでお気に入りの女の子を歌で口説こうと一生懸命歌った記憶もあります。

 

しかし、結婚して子供が生まれるとカラオケなんて全く行かなくなりました。

家族で行くような習慣もなかったので、10年以上歌っていなかったような気もします。

そんな私がスナック通いを始めたのは数年前・・・

知らない間にカラオケの機械も進化していて驚きました。

手元のパッチパネルもずいぶん簡単になりましたし、びっくりしたのが曲数です。

こんな歌まであるの?と本当に驚きました。

そしてカラオケで使われる映像!

アーティスト本人が登場する曲もあるではないですか?

まさに浦島太郎状態でした。

 

スナックではみんな気持ちよさそうにカラオケを歌っています。

当然私にもマイクが向けられるわけですが、知らない人の前で歌を歌うなんて今まで経験したことが無いわけです。

緊張もありますが、場の空気を読みながら選曲するのも非常に疲れます。

でも歌わなければいけない場面もあるわけです。

そんな時はとりあえず歌います。

でも十数年ぶりに歌って気が付いたことがあるんです。

キーが下がったこと!

 

昔から比較的キーが高かった自分ですが、歳をとった影響なのか?

キーが4つ以上下がってしまっていました。

昔はBくらいまで何とか出ていたのですが、今ではF♯が限界です。

これには本当に驚きました。

昔得意げに歌っていた曲全てが歌えなくなっていたんですから。

 

そんな時、行きつけのスナックで素敵なお客さんに出会いました。

とても歌の上手い方です。

50代くらいなのですがとにかくキーが高くてどんな曲でも歌いこなします。

最近流行りの髭ダン、DISH//、優里などのキーが高いアーティストの曲も完璧に歌いこなしています。

そんな方と一緒にいると自分も頑張りたくなっちゃうんです。

またまた悪い性格が出てしまいまして・・・

気がついたらボイスレッスンの学校へ通っている自分がいました。

今年の3月から月に2回程度ですがレッスンを受けています。

おかげで少しだけキーが戻ってきました。

G♯くらいまでは出るまでに!

ボイスレッスンに飽き足らず追加でピアノのレッスンまで始めちゃいました。

 

しかし現在ほとんどのスナックが休業しています。

せっかくレッスンを受けてもカラオケを歌う機会は全くありません。

一人カラオケなんてものも流行っているようですが、40過ぎの人間にはハードルが高すぎます。

何のためにレッスンに通っているのか?もはや分からなくなっていますがこの努力がいつか報われる日が来るであろうことを期待しつつその時を待つことにしています。

ま~その前に人前で歌うことに抵抗を無くさなければいけないんですけどね?

歌が上手くなりたいと願う40過ぎのオッサンの話でした。