2030年問題

いつも昔話ばかりなのでたまには未来のお話を・・・

 

「2030年問題」という言葉を最近耳にします。

20年ほど前、西暦が変わるときには「2000年問題」なんて言葉がはやりましたが、我々の暮らしにはあまり大きな影響がない問題でした。

その後「2007年問題」という言葉も生まれました。

これは戦後まもなくの第一次ベビーブーム(1947~1949年)生まれたいわゆる「団塊の世代」が一斉に退職を迎える問題でした。

若い人たちからすれば「会社にいる老害がいなくなるぜ!」と手放しで喜びそうな動きでしたが、ベテランの人たちが持つ技術力、豊富な経験、指導力が一気に低下するという懸念がありました。

ふたを開ければ、団塊世代の多くの方はリタイアすることなくその後も仕事を続けていたりして社会への貢献を続けてくれています。

そして時代は変わり令和へ!

2030年問題も今後の私たちの生活に大きな影響を与えそうです。

 

2030年と言えばあと9年後です。

2030年には今よりも少子高齢化が進み、地球温暖化の影響で環境が大きく変わり私たちの健康や食料問題が深刻になると言われています。

特にここ数年の異常気象からもわかるように、地球環境の大きな変化は我々の暮らしに大きな影響をもたらすはずです。

 

環境問題についてはあまり詳しくないので熱弁を奮う気はありませんが、ここ数年の夏の異常な夏さ、風水害の多さ、冬の豪雪などを見ていると素人でもその深刻さはわかります。

我々人間が好き勝手に生きてきたツケがやってきた!という考え方もあれば、長い地球の歴史の中で周期的に起こる事象だ!と考える方もいます。

いづれにしても偉い時代に生まれたもんだ!と思わざるを得ません。

 

私は車関係の仕事をしています。

ですので本日は車社会が抱える「2030年問題」について考えたいと思います。

 

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私は車関係の仕事をしているわりに、車に対してあまり興味がありません。

車がものすごい好きか?と言われれば答えはNOです。

車の運転もそれほど好きではないので、基本的に電車移動を好みます。

誰かと出かけるときは助手席が一番リラックスできる場所だったりします。

そんな人間が車関係の仕事をしているなんて不思議に思われる方も多いかもしれませんが、今の時代、好きだからその仕事をしている人ばかりではなりませんね?

そんな自分は車関係の仕事について20年になります。

この20年で自動車を取り巻く環境は大きく変わりました。

 

パワーやスピードが車に求められていた時代から、燃費や維持費の安さ、快適性能が求められる時代になりました。

大きく時代が動いたのはトヨタプリウスやホンダのフィットが爆発的に売れたくらいからですね?

軽自動車の常識も大きく変わりました。

それまで軽自動車なんて田舎の年寄りが乗るもの!なんてバカにされていましたが今では女性に人気の軽自動車がズラリと登場しています。

若い方でも年配の方でもオシャレに気軽に乗れる車種がたくさん出ています。

そして一番驚くのはその値段です。

20年前、軽自動車と言えば100万出せば立派な装備が付いたものが買えました。

それでも「所詮軽自動車じゃん!」とバカにされていましたが、今では軽自動車の相場は200万程度!

内装や装備も充実ぶりに驚きます。

昔は男性が女性をナンパしたりドライブデートに誘う時はスポーツカーや高級車!と言うのがステータスでしたが、今はかわいらしい軽自動車が若い女性には好まれるようです。

女性の運転率が大幅に上がったこともあるのでしょうが、女性の視点が「助手席に乗りたい車」から「自分が運転したい車」になったとも言われています。

もちろん乗用車の価格も大幅に上がっています。

20年前、100~120万程度で購入できたファミリーカー「カローラ」は今ではいいグレードのものだと200~300万します。

カローラのくせに!なんて口にしたら怒られそうです。

 

そんな自動車にとって深刻な問題が「2030年問題」です。

温室効果ガスの排出量を削減する動きは様々な分野で活発になっていますが、とうとう自動車の分野でも大きく動き出そうとしています。

政府は2030年にガソリン車の生産を禁止するプランを掲げたのです。

つまり、ガソリンを燃やして排気ガスを出す車を徹底的に廃止し、電気や水素で走る環境にやさしい車社会を作ろうというのです。

 

確かに世界中で何億台という車が日々ガソリンを燃やし、排気ガスをまき散らしながら走っています。

それを全て排気ガスの出ないものに変えたら効果は絶大でしょう。

しかし、車が出すCO2の量は火力発電や製造業が出す量に比べると微々たるものだ!という指摘やデータも存在します。

また、すべての車が電気自動車になったとしても、その電気を作り出すためにまた多くの燃料が燃やされるはずなんです。

最近は太陽光発電に注目が集まっていますが、大きなソーラー発電施設を作るために山を切り開いていたりします。

環境にやさしい設備を作るために平気で環境を破壊しているという矛盾が各国で生まれているはずです。

もちろん技術がどんどん進化しているので電力をもっと効率的に生み出せるようにもなると思いますが、今やっていることには課題がたくさんあるのも事実です。

 

2030年問題で一番困るのは消費者です。

今乗っている車を買い替えたくても、この問題が邪魔をしてスムーズな買い替えができないなんてケースがちらほら出ています。

特に60代~70代の方は免許の返納も視野に入れながら車を買い替えなければいけないので、「これからガソリン車買うのってどうなの?」なんて悩んでしまいます。

そうすると今乗っている車をなるべく長く乗ろうと必然的に考えます。

当然車が古くなると様々なトラブルが起こります。

維持管理にもお金がかかってきます。

そしていよいよ愛車が壊れると「どんな車買えばいいのよ」とまた困ります。

これから数年はこんな悪循環が間違いなく生まれそうです。

 

若者の車離れも深刻です。

車が高くなっていると同時に自動車にかかる税金や維持費もどんどん増えています。

若い人たちが車に興味がなくなるのも当然のことです。

 

車関係の仕事をしているから声高に言うわけではありませんが、自動車は非常に便利でロマンのある乗り物です。

自動車があることで生活のバリエーションは確実に増えます。

日本の道路は世界から見ても非常に綺麗ですし、どこでも行けるよう整備されています。

だからこそ車のすばらしさ、便利さをもう一度考え直すようなきっかけを作ってほしいです。

「車=絶対悪」という価値観がこれ以上根付くとさすがに失業しちゃいますよ!

 

あ~また愚痴っぽくなってしまいました。

客観的な話をするはずが結局持論になる始末・・・

終わりにします。